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YouTube Works Awards Japan 2026 の​ 8 部門の​受賞作、​グランプリは​掃除を​ホラーゲーム化した​花王

YouTube を​活用して​優れた​成果を​上げた広告を​表彰する​ YouTube Works Awards Japan。​2026 年は​ 6 回目の​開催です。

2025 年に​国内で​配信された​キャンペーンから​応募を​受け付け、​全 ​8 部門で​審査が​行われました。​この​記事では、​各受賞作品の​背景に​あった​マーケティング課題や、​YouTube を​通じてどの​ように​ビジネス成果に​貢献したのかを​審査員の​コメントとともに​詳しく​解説していきます。

  • 花王:グランプリ、​YouTube Creator Collaboration 部​門
  • エスエス製薬:Best Brand Fandom 部​門
  • キングジム:Best Brand Lift 部​門
  • 味の​素:Best Engagement & Action 部​門
  • アイロボットジャパン:Best Multi Format 部​門
  • ロッテ:Best Offline Sales Lift 部​門
  • メルカリ:Best Use of Google AI 部​門
  • 雪印メグミルク:Force for Good 部​門

掃除を​ホラーゲーム化、​クリエイターを​起点に​コミュニティの​熱量を​味方に​つけた​花王:グランプリ、​YouTube Creator Collaboration 部​門

グランプリを​受賞したのは、​花王株式会社に​よる​『しずかな​おそうじ』です。

本作品が​受賞した​ YouTube Creator Collaboration 部門は、​ブランドと​クリエイターの​共創だから​こそ​実現した​企画の​独自性と、​それに​よる​マーケティング成果を​評価する​部門です。​その​部門賞​(Gold)に​輝いただけでなく、​全 ​8 部門の​頂点と​なる​グランプリも​獲得しています。

花王の​ホームケア事業では、​若年層​(20 代 〜 30 代)を​中心とした​潜在層の​認知や​購買が​弱いと​いう​課題を​抱えていました。​SNS でも​ユーザーの​嗜好に​情報が​最適化される​ため、​元々関心の​低い​掃除カテゴリの​情報は​届きにくく、​一方​的な​広告を​押し付けるだけでは​打破できない​状況に​ありました。

そこで​若年層に​親しまれている​ホラーゲームと​ゲーム実況に​着目し、​掃除を​クリア条件とした​オリジナルホラーゲーム『しずかな​おそうじ』を​開発しました。​実況者が​ゲームを​進行する​過程で、​掃除アイテムは​単なる​商品ではなく、​難局を​乗り越える​ために​欠かせない​キーアイテムと​して​登場します。​ホラーゲームの​緊迫感の​中、​アイテムを​発見する​ワクワク感や​汚れを​見事に​落として​クリアに​近づく​達成感。​実用的な​掃除の​ティップスを​そのまま​ゲームの​「攻略法」と​して​機能させる​ことで、​視聴者も​実況者と​一体と​なって​盛り上がりながら、​自然と​製品の​魅力を​体感できる​エンターテインメントへと​昇華させました。

コミュニケーション戦略の​核に​なったのが、​ホラーゲーム実況で​人気を​集める​ YouTube クリエイター、​ガッチマン氏に​よる​ライブ配信です。​さらに​ゲーム本体を​無料配布して​配信を​フリー化する​ことで、​他の​クリエイターや​視聴者に​よる​自発的な​実況プレイを​誘発し、​コミュニティの​熱量を​巻き込む導線を​設計しました。

その​結果、​実況動画は​想定を​上回る​ 45.1 万回再生を​突破し、​公開直後に​ X や​ LINE NEWS で​トレンド 1 位を​獲得。​ゲームの​ダウンロード数も​ 30 日で​目標の​ 5 倍を​達成しました。​さらに、​若年層の​本キャンペーンの​認知者に​おける、​おそうじと​いえばの​第一想起で​ No.1(*1)を​獲得し、​若年層の​購入意向を​大きく​高めると​いう​ビジネス成果に​結び​つきました。

審査員からは、​広告と​コンテンツの​境界を​なくし、​ユーザー生成コンテンツ​(UGC)や​二次的な​広がりまで​計算に​入れた​設計こそが​「YouTube 活用の​理想形」であると​評価されました。​さらに、​商品の​便益を​ゲームの​攻略法と​して​自然に​伝える​ことに​加え、​多くの​クリエイターが​自発的に​実況したくなる​ほど、​ゲームと​して​高い​クオリティに​仕上げた点が、​グランプリ受賞の​大きな​決め手と​なりました。

睡眠を​勝利の​ための​戦略へ、​ゲーマーの​心を​動かした​エスエス製薬:Best Brand Fandom 部​門

YouTube を​ブランドの​公式チャンネルと​して​活用し、​生活者との​継続的な​コミュニケーションを​通じて​ブランドファンダムを​構築した​施策を​表彰する​ Best Brand Fandom 部門は、​エスエス製薬株式会社の​『睡眠計量 e-SPORTS CUP <SLEEP FIGHTER II>』が​受賞しました。

睡眠改善薬​「ドリエル」は、​拡大する​睡眠市場に​おいて、​ブランドメッセージの​理解や​購買促進に​課題を​抱えていました。

そこで​目を​向けたのが、​深夜​活動が​常態化し、​睡眠を​削るべき​時間と​捉えが​ちな​ゲーマーや​配信者の​コミュニティです。​睡眠を、​「プレイ時間を​削る​嫌な​もの」から​「勝利の​ための​戦略」へと​転換させるべく、​YouTube を​起点とした​中長期的な​コミュニティ戦略を​設計しました。​その​中核と​なる​施策が、​大会前 1 週間の​睡眠時間を​スマートウォッチで​可視化し、​不足者に​減点を​課すと​いう​ e スポーツ大会です。

公式チャンネルでの​ライブ配信に​加え、​各クリエイターが​自身の​ YouTube チャンネルなどで​映像を​共有する​ミラー配信を​公認して​熱量の​高い​同時体験を​創出。​さらに​ YouTube ショートや​ビデオオンデマンドでの​二次拡散、​ファンに​よる​切り​抜き動画の​生成を​促進し、​その​盛り上がりが​波及し合う、​自発的な​拡散サイクルを​構築しました。

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ライブ配信の​最大同時接続数は​約 11.8 万人、​関連動画の​総再生回数は​約 709 万回を​記録しました。​本施策の​認知者の​購入率は​ 15.2%​(非認知者の​約 46.9 倍)と​なり、​医薬品と​しては​異例の​実利を​伴う​成果を​上げました。​e スポーツと​いう​現代的な​コンテンツを​核に、​ブランドと​ファンを​継続的かつ​複合的に​結びつけた本施策は、​ブランド認知と​ファンダム形成の​新しい​形を​提示していると​言えるでしょう。

審査会では、​単なる​商品紹介にとどまらず​「睡眠不足」と​いう​社会的な​テーマに​焦点を​あてた点が​高く​評価されました。​さらに、​睡眠を​削りがちな​ゲーマーへ​向けて、​睡眠に​新しい​価値を​提案し、​YouTube を​中心に​ファンと​深く​対話する​仕組みを​構築した​アプローチは、​持続可能な​コミュニケーション戦略の​理想形と​して​多くの​支持を​集めました。

人の​意識や​行動を​変えうる、​テプラの​新たな​価値を​提示した​キングジム:Best Brand Lift 部​門

YouTube 広告を​活用して​ブランドリフトの​向上に​貢献した​キャンペーンを​表彰する​ Best Brand Lift 部門は、​株式会社キングジムの​『おねが​いテプラ』が​受賞しました。

発売から​ 30 年以上を​迎える​ラベルプリンターの​「テプラ」は、​ペーパーレス化が​進む中で​整理整頓の​道具と​いう​既存の​イメージを​打破し、​新しい​需要を​生み出す必要が​ありました。

そこで​「整理の​ための​道具」から​「現場課題解決の​ための​想像力を​引き出すパートナー」への​価値再定義に​挑戦。​肩こりや​職場の​緊張など、​一見テプラでは​解決できそうにない​課題に​対し、​ラベルを​貼る​ことで​人の​意識や​行動が​変わる​様子を​可視化した​実験ドキュメンタリー『おねが​いテプラ』を​制作しました。

長尺動画が​視聴される​ YouTube を​メイン媒体に​選定し、​業種ごとの​課題に​合わせて​動画を​出し分ける​ことで、​各業界の​潜在層に​対し​「自分の​職場なら​どう​使えるか」と​いう​想像を​促しました。​実際の​職場を​舞台に、​テプラに​よる​環境改善の​プロセスを​丁寧に​描く​ことで、​単なる​事務用品ではなく、​人の​意識や​行動を​変える​きっかけを​提供すると​いう​新たな​価値を​提示したことが​成果に​結び​つきました。

広告認知者と​非認知者の​間で​テプラの​導入意向に​ 31.5 ポイントもの​圧倒的な​スコア差を​生み出すことに​成功し、​SNS での​連鎖的な​反響が​広がり、​事務用品の​枠を​超えた​社会的な​注目を​集めました。

審査会では、​30 年以上​続く​ブランドを​再定義し、​長く​親しまれてきた​存在に​新たな​光を​当てた戦略が​高く​評価されました。​冒頭の​「おねが​いテプラ」と​いう​呼びかけで​開始数秒での​スキップを​防ぎつつ、​ドキュメンタリー形式で​機能を​超えた​新たな​価値を​提示。​YouTube を​熟知した​緻密な​設計に​よって​メッセージを​深く​届け、​固定化された​ブランドイメージの​刷新に​成功した​点が​受賞の​決め手と​なりました。

52 分の​本格ドキュメンタリーを​軸に​トライアル購入を​後押しした​味の​素:Best Engagement & Action 部​門

生活者の​関心を​高め、​意思決定を​後押しして​行動を​促すことに​成功した​キャンペーンを​表彰する​ Best Engagement & Action 部門は、​味の​素株式会社の​『Cook Do®極シリーズ​「極中​華道」​~最古の​鍋で​原点を​食らう​~』が​受賞しました。

「Cook Do®」は​長年、​家族で​楽しめる​中華と​して​愛されてきましたが、​本格的で​ディープな​味を​求める​生活者に​向けた​プレミアムライン​「Cook Do®極​(プレミアム)​シリーズ」の​トライアル購入を​促進したいと​いう​課題が​ありました。​しかし、​単なる​美味しさや​便利さと​いった​機能訴求だけでは​動かない​層に​対し、​新たな​コミュニケーション手法で​商品の​こだわりを​伝え、​「これなら​試してみたい」と​思わせる​ブランドへの​信頼を​築く​ことが​求められていました。

知的好奇心が​旺盛な​生活者に​向け、​短い尺の​テレビ CM では​伝えきれない​本場四川の​食文化や​開発者の​情熱を​余す​ことなく​届ける​ため、​52 分の​長尺ドキュメンタリーを​制作。​ドキュメンタリーと​して​「古い​中華鍋を​探す旅」を​描きつつ、​旅で​出会った​人々に​商品を​味わって​もらう​展開も​組み込みました。​本場の​味を​知る​四川の​人々の​リアルな​称賛が、​企業の​広告的な​商品説明を​超える​説得力を​生み、​視聴者の​購買意欲を​自然に​後押ししています。

この​長尺本編を​軸に、​短尺広告を​フックとし、​関心度の​高い​ユーザーへ​配信する​ことで​ 商品販売ページへと​シームレスに​誘導する​導線を​構築しています。

その​結果、​商品販売ページ​閲覧数は​累計 34 万件超を​記録し、​本編の​総再生数も​ 200 万回を​超える​成果と​なりました。​長尺コンテンツに​よる​深い​ブランド理解が、​具体的な​検討行動へと​つながる​ことを​示す結果と​言えるでしょう。​広告と​いう​枠を​超えて​視聴者が​自ら​時間を​投資して​見たくなるような​上質なエンターテインメントに​昇華させた​コンテンツ力と、​YouTube の​特性を​活かした​シームレスな​購買誘導の​設計が​ポイントと​なりました。

審査の​場では、​「すごく​長いけど​面白くて​全部​見てしまった」​「実際に、​動画の​コメント欄にも​視聴者からの​好意的な​声が​多い」と​コンテンツの​力が​注目を​集めました。​加えて、​長尺本編で​生み出した​深い​エンゲージメントを、​商品閲覧と​いう​アクションへ​直結させて​ビジネスを​牽引した​点が​受賞の​決め手と​なっています。​広告と​コンテンツの​境界を​乗り越えようとした​「勇気の​ある​決断」とも​評され、​YouTube 広告の​新たな​可能性を​示した​作品と​して​受賞に​至りました。

日本の​床文化を​捉えた​縦型動画で​ UGC を​創出した​アイロボットジャパン:Best Multi Format 部​門

さまざまな​ユーザー接点と​それに​適した​フォーマットを​戦略的に​活用し、​成果を​達成した​キャンペーンを​表彰する​ Best Multi Format 部門は、​アイロボットジャパン合同会社の​『ルンバで​ #床サイコー』が​受賞しました。

ロボット掃除機市場に​おいて​すでに​高い​認知度を​誇る​「ルンバ」ですが、​競合製品との​機能的な​差が​なくなってきている​中、​生活者自身からの​賛同の​声を​ UGC で​集める​ことで、​一番​選びたい​ロボット掃除機と​しての​確固たる​ポジションを​築く​ことが​目標でした。

水拭き​性能が​向上した新製品の​登場に​あたり、​床掃除からの​解放や、​「毎日​ピカピカの​床で​過ごす爽快感」と​いった​生活価値を​『#床サイコー』と​いう​キャッチコピーで​再定義。​生活者が​スマートフォンを​向けたくなるような、​リアリティと​愛嬌の​ある​縦型ショート動画を​制作し、​UGC が​生まれやすい​土壌を​作りました。

さらに、​デバイス特性に​合わせた​出し分けを​徹底。​YouTube ショートでは​日常を​切り​取った​動画で​個人的な​共感を​呼び、​コネクテッドテレビ​(CTV)では​保育園で​活躍する​動画で​家族の​信頼感を​醸成しました。

ブランドリフト調査に​おいて​相対的リフト率 35.9% と​いう​極めて​高い​数値を​記録した​ほか、​#床サイコーの​ UGC 動画は​ 2,400 件を​超えました。​これに​よって​前年実績を​大きく​上回る売上成長を​達成しました。​掃除機の​スペック​競争ではなく、​きれいな床で​くつろぎたいと​いう​普遍的な​欲求を​言語化した​ことで​生活者の​感情を​大きく​動かし、​視聴環境に​寄り​添った​的確な​メディア戦略が​成功の​鍵と​なりました。

審査会では、​「日本ならではの​床に​寝転びたいと​いう​感覚を​うまく​突いている」と、​独自の​インサイトが​高く​評価されました。​さらに、​YouTube ショートの​特性を​最大限に​活かし、​替え歌や​映像演出に​よって​「1 秒で​人を​つかむ」​アプローチを​取り​入れた​点など、​フォーマットに​合わせた​設計に​対して​審査員からの​多くの​支持が​集まりました。

あえて​味を​説明しない​クリエイティブで​期待値を​最大化した​ロッテ:Best Offline Sales Lift 部​門

オフライン​(店頭)での​売上拡大に​貢献した​キャンペーンを​表彰する​ Best Offline Sales Lift 部門は、​株式会社ロッテの​『プレミアムガーナ ​「劇的一粒」​コミュニケーション』が​受賞しました。

こだわりの​製法で​作られた​「プレミアムガーナ」は、​約 500 円と​いう​コンビニエンスストアの​チョコレートと​しては​高価格帯の​商品です。​チョコレートの​購入頻度が​高い​生活者には​支持されている​ものの、​まだ​魅力を​深く​知らない​生活者に​とっては​手が​出しにくく、​人々に​ 500 円払ってでも​食べる​価値が​あると​認知して​もらい、​トライアルを​促すことが​課題でした。

本施策で​アプローチしたのは、​特定の​指名買いではなくさまざまな​ブランドの​チョコレートを​購入する​ 30 〜 50 代の​女性です。​彼女たちの​購買行動から、​低関与商材だから​こそ、​あれこれ訴求せず、​『価格に​対する​おいしさへの​期待感』の​ 1 点に​のみ​メッセージを​あえて​絞る​ことが​重要だと​考えました。。​その​期待感を​最大化させる​ため、​企業発の​「美味しい」と​いった​褒め言葉を​あえて​一切​排除した​クリエイティブを​企画しました。​木村拓哉氏が​食べて​言葉を​発さずに​リアクションを​するだけの​クリエイティブを​ YouTube を​含むさまざまな​デジタル広告で​展開し、​どんな​味なのかと​いう​視聴者の​期待感と​好奇心を​極限まで​高める​戦略を​とりました。

リアクションの​答えである​味わいを​求めて​小売店へ​向かわせる​ため、​外出時にも​視聴されやすい​ YouTube を​主要な​タッチポイントと​して​活用。​さらに、​YouTube ショートや​バンパー広告などの​専用素材も​複数制作して​配信し、​深夜帯にも​配信を​行う​ことで​深夜に​思わず​コンビニに​走ると​いう​衝動的な​購買行動も​狙いました。

動画配信期間中​(2025 年 9 月 30 日から​ 10 月 27 日)の​プレミアムガーナ全体の​売上は​前年比 72% 増を​記録し、​メインフレーバーの​生チョコカカオ単体では​前年比 247% と​いう​大幅な​売上伸長を​達成しました。​YouTube 広告を​通じて​あえて​直接的な​美味しさを​言葉で​説明しない​ことで、​生活者の​興味を​強く​喚起した​メディア戦略が、​実購買と​いう​大きな​成果に​結び​つきました。

審査では、​「引き込まれる​作り方で、​それが​同時に​商品の​売りに​つながっている」と、​クリエイティブの​力が​ビジネス成果を​生んだ​点が​高く​評価されました。​特に​注目されたのは、​消費者心理を​突く​深夜帯への​配信戦略です。​「思わず​コンビニに​走る」と​いう​衝動的な​購買行動を​誘発し、​審査員自身からも​「動画を​きっかけに​購入した」と​いう​声が​上がるほどでした。​説明に​頼らず​視聴者の​行動を​促した​マーケティングの​精度の​高さが​支持を​集めました。

AI で​顧客の​優しさを​発掘し、​ブランド好意度を​向上させた​メルカリ:Best Use of Google AI 部​門

Google AI を​効果的に​活用した​取り組みを​表彰する​ Best Use of Google AI 部門は、​株式会社メルカリの​『やさしい​メル﨑』が​受賞しました。

月間 2,300 万人が​利用する​フリマアプリ​「メルカリ」。​実際の​取引の​ 99.7% が​良かったと​評価されている​一方で、​未体験の​ユーザーの​間には​「なんとなく​不安」と​いう​見えない​心理的バリアが​存在していました。​ユーザー数の​さらなる​拡大の​ためには、​メルカリが​安心、​安全な​プラットフォームである​ことを​自然な​形で​認知して​もらう​必要が​ありました。

未利用者の​なんとなくの​不安を​払拭するには、​利用者の​リアルな​体験シーンを​通じた​自分ごと​化が​鍵と​なります。​しかし、​安心を​感じる​文脈は​多様であり、​数十億件にの​ぼる​取引レビューや​ SNS の​声から​それらを​抽出するのは​人手では​困難でした。

この​課題に​対し、​BigQuery 上の​膨大な​データを​解析する​ため、​Google Agent Development Kit を​用いて​ Gemini を​搭載した​分析エージェントを​構築。​人手では​網羅できない​膨大な​データの​中から、​メルカリの​本質的な​価値である​「利用者同士の​優しさ」が​伝わる​リアルな​エピソードを​精緻に​発掘しました。​この​エピソードに​合わせて​ AI キャラクターの​メル﨑を​用いた​ 20 パターンの​短尺動画を​制作。​生活者の​多様な​関心を​網羅しつつ、​一人​ひとりの​心に​響く​共感性を​生み出しました。

その​結果、​ブランド好意度を​ 42.1% と​大きく​向上させただけでなく、​アプリインストールキャンペーン​(ACi)の​コンバージョン単価も​ 45% 削減すると​いう​強力な​相乗効果を​生み出しました。​膨大な​データから​人間の​感情の​機微を​抽出し、​多種多様な​共感ストーリーを​具現化した​ AI の​アプローチが​高く​評価されました。

審査員たちからは、​AI を​用いた​多様な​インサイト発掘と​それぞれの​感情を​動かすクリエイティブの​可能性、​両面に​言及する​コメントが​多く​見られました。

骨の​健康と​いう​社会課題に​向き合った​雪印メグミルク:Force for Good 部​門

収益や​ビジネスインパクトを​超え、​社会的意義の​ある​コミュニケーションを​展開した​キャンペーンを​表彰する​ Force for Good 部門は、​雪印メグミルク株式会社の​『CHECK-2cm​「母さん、​少し​小さくなった?」』が​受賞しました。

骨密度低下に​よる​骨粗しょう症の​増加は、​現在深刻な​社会課題と​なっています。​しかし、​自覚症状が​ないため、​危機感を​持って自分ごと​化して​もらいづらいと​いう​難しさが​ありました。​2024 年度に​共創型の​プロジェクトと​して​「骨太な​未来プロジェクト」を​立ち上げた雪印メグミルクは、​特に​リスクの​高い​高齢の​女性や​その​家族に​向けて、​骨の​健康への​自発的な​気づきを​促すコミュニケーションの​あり方を​模索していました。

そこで、​実家の​台所に​立つ​お母さんの​背中と​いう​シンボリックな​ワンビジュアルを​採用。​徐々に​背中に​クローズアップしていく​シンプルな​構成と、​松岡修造氏に​よる​しっとりと​した​語り口の​ナレーションを​組み合わせる​ことで、​子ども​世代の、​母親に​ずっと​元気で​いて​ほしいと​いう​思いを​代弁し、​深い​情感と​リアリティを​持たせました。

久しぶりに​親の​背中を​見る​機会であり、​家族で​会話が​生まれやすい年末年始の​帰省の​タイミングに​集中して​キャンペーンを​展開。​YouTube では、​デモグラフィック情報に​加えて​帰省に​関連する​検索や​閲覧行動を​とっている​ 40 〜 60 代に​向けてきめ細やかな​配信を​行い、​メッセージを​深く​届ける​ことに​注力しました。

調査からは、​動画接触者に​おける​「雪印メグミルクは​信頼できる​企業である」と​いう​回答が​ 73.2% に​達し、​非接触者と​比較して​ 16.1 ポイントの​大幅な​上昇を​記録しました。​さらに、​「雪印メグミルクは​社会課題の​解決に​注力している」と​答えた​割合も、​非接触者の​ 53.6% から​ 62.5% へと​ 8.9 ポイントの​上昇を​記録し、​コーポレートイメージの​向上を​実現しました。​共感を​生みやすい​母親の​後ろ姿と​いう​日常の​ワンシーンを​切り取る​ことで​健康課題を​身近な​テーマへと​引き寄せる​ことに​つながりました。

この​作品に​ついて​審査の​場では、​「普段意識していない​ことを​ハッと​気づかせる​強さが​ある」と​いった​声が​聞かれ、​企業の​姿勢と​社会課題解決を​結びつけた​真っ直ぐな​アプローチが​多くの​共感を​集めました。​加えて、​本作に​おいて​際立っていたのが、​「身長が​ 2cm 縮むのは​危険信号」と​いう​具体的で​分かりやすい​基準を​用いた​点です。​30 秒と​いう​短い​尺の​中でも​確かな​気づきを​与え、​人々の​意識と​行動を​変える​力を​持った​クリエイティブが​高い​評価を​獲得しました。

以上、​2026 年の​ YouTube Works Awards Japan に​おいて​グランプリおよび​各部​門賞​(Gold)に​輝いた​ 8 つの​優れた​事例を​ご紹介しました。

本記事で​取り上げた受賞作を​含む、​8 部門の​全ての​受賞作品​(Gold、​Silver、​Bronze)は​こちらの​記事で​紹介しています。​革新的な​手法で​戦略的に​ビジネス成果を​上げた YouTube 広告の​事例と​して、​これからの​動画マーケティングの​ヒントに​ぜひご活用ください。

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下地 彩子

YouTube Ads マーケティングマネジャー

出典 (1)

*1: 20 〜 30 代の​広告認知者中/​「おそうじと​いえば」の​企業​(2025 年花王​調べ)

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