US 版 Think with Google が 2026 年 2 月に公開した記事を基に日本語に翻訳し、編集しました。
2026 年 1 月の Nielsen の調査によると、米国におけるテレビ画面でのストリーミング視聴シェアに関して、YouTube は 3 年連続で首位を獲得しました(*1)。Netflix や Disney+、Prime Video などの主要サービスを上回っています。
この結果は、YouTube がリビングルームで多くの人に選ばれるプラットフォームになっていることを示しています。しかし、本当に注目すべき変化はさらに深いところで起きているのです。
YouTube CEO のニール・モーハンは、2026 年に向けたメッセージ(英語)の中で、YouTube が視聴者に選ばれ続けている背景について言及しました。さらに、クリエイター、コマース、そして AI の 3 つの要素が、リビングをはじめとするさまざまな場面で、新たなマーケティングの機会をどのように広げているかを示すロードマップを示しています。
その内容を基に、2026 年に向けて注目すべき 3 つの重要な好機について詳しく見ていきましょう。
1:単なるコンテンツ制作の枠を超えて進化するクリエイター
クリエイターは単にコンテンツを制作しているだけではありません。独自のスタジオを設立し(英語)、エミー賞にノミネートされる(英語)など、かつてはハリウッドのスタジオに限られていたような規模と情熱を持った作品を生み出しています。
YouTube では、自らの視聴者に向けて戦略的にコンテンツを作り上げる自由があります。視聴者が本当に見たいものやそれぞれの視聴環境に合わせて、作品のあり方を形作ることができるのです。
クリエイターが生み出すこうした魅力的なコンテンツは、現在、家庭内で最も大きな画面である「テレビ」で楽しまれるようになっています。米国ではすでにテレビが YouTube のメインスクリーンとなっており(*2)、テレビでの視聴時間は 1 日平均で 10 億時間を超えています(*3)。
YouTube の視聴者は、多種多様な選択肢から、見たいコンテンツを提供してくれるクリエイターとの出会いを求めている(英語/日本語字幕)
カルチャーを象徴する熱狂と会話の輪に加わる
今やテレビは、単に「現在放送中の番組」を見るためのデバイスではありません。視聴者はより豊かで主体的な体験を求めてテレビの電源を入れています。エンターテインメント、スポーツ、音楽、人気のポッドキャスト、ハウツーコンテンツ、そしてお気に入りのクリエイターの動画から「自ら選ぶこと」を求めているのです。
実際、米国の動画視聴者の 63%、Z 世代に限れば 83% が、スタジオ制作の番組や映画よりも、お気に入りのクリエイターのコンテンツを見ることを好むと回答しています(*4)。
YouTube は、コーチェラのような音楽フェスティバル(英語)、アカデミー賞をはじめとする授賞式(英語)、オリンピック(英語)といったカルチャーを象徴するイベントにおいて、世界中のファンが熱狂や会話を共有するための中心的な場となっています。
さらに最近では、クリエイター自身が大きなムーブメントの起点となるケースも増えてきました。ファンが単に動画を見るだけでなく、次回作を待ち焦がれるような番組が次々と生まれているのです。ブランドがこうした熱狂や会話の輪に加わることは、大好きなコンテンツに夢中になっているユーザーと、長く深い関係性を築くための強力なアプローチとなります。
2:クリエイターエコノミーを推進する
2022 年から 2025 年までの過去 4 年間だけでも、YouTube はクリエイター、アーティスト、メディア企業に対して 1,000 億ドル以上を還元してきました。こうした投資を通じて、クリエイターが自分らしく継続的にコンテンツを提供できるよう後押ししています。
そしてこの自由な環境が、YouTube におけるクリエイターの役割を大きく変化させています。YouTube クリエイターは、視聴者を楽しませるエンターテイナーであると同時に、商品の発見から購入に至るまでの複雑な検討プロセスにおいて後押しする、信頼できるガイドとしての役割も果たしているのです。
現在、50 万人以上のクリエイターが「YouTube ショッピング」の機能を活用しています。視聴者は何を買うべきかのヒントを求めて YouTube チャンネルを訪れ、実際にそこから商品を購入しています。このような信頼と専門知識を背景に、たとえばテック系クリエイターのヴィニート・マルホトラ氏は、2025 年だけで 4,000 万ドルを超える YouTube ショッピングを通じた流通取引総額を生み出しました。
ヴィニート・マルホトラ氏の動画。こうした動画を通じて、視聴者は商品を選んで購入している(英語/日本語字幕)
エンターテインメントと購買の架け橋に
マルホトラ氏のこの実績は、クリエイターがエンターテインメントと購買をシームレスにつなぐ役割を担っていることを証明しています。YouTube クリエイターとの連携は、企業にとっての大きな好機となるはずです。
米国の動画視聴者の 81% が「買い物の際、YouTube クリエイターのコンテンツが商品の調査や発見に役立つ」と回答している(*5)ことからも、これはごく自然な流れと言えます。
2024 年 4 月から 2025 年 4 月までの 12 カ月間で、YouTube はテレビ画面を通じて 10 億件以上のコンバージョンに貢献しました(*6)。これは、視聴者がより確信を持ち、明確な意図を持って商品を選んでいる証拠です。
単にブランドの存在を知らせるにとどまらず、具体的なビジネス成果へと直結させることで、YouTube はマーケターにとっての「リビング」が持つ意味を根本から変えようとしています。クリエイターとの連携は、視聴者がコンテンツを楽しむ時間を、そのまま自然な購買行動へと結びつける大きな好機となるはずです。
3:クリエイティビティの拡張と保護
YouTube において、視聴者がお気に入りのコンテンツを発見し体験するプロセスの中心には AI が存在しています。YouTube の動画下にある「質問する」ボタンは、動画の内容について AI に質問したり要約してもらったりできる機能です。2025 年 12 月だけでも、2,000 万人以上のユーザーが、このボタンを通じて視聴したコンテンツへの理解を深め、関心のあるトピックをより深く掘り下げています(*7)。
また、AI はクリエイターがフォーマットや文脈、さらには視聴者の枠を超えてアイデアを広げるのにも役立っています。2025 年 12 月には、毎日 100 万以上のチャンネルが YouTube の AI 制作ツールを活用した(*7)ほか、AI を活用した自動吹き替え「オートダビング」などの機能は、クリエイターが世界の新しい視聴者とつながる際の言葉の壁を取り払っています。
AI がもたらすインパクトがリビングにも
AI の進化は、YouTube を活用するマーケターにも新たな可能性をもたらしています。これまで長年にわたり、プランニングから広告の買い付け、クリエイティブ制作に至るマーケティングのプロセスは、決められた手順に沿って単線的に進められるのが一般的でした。その結果、「限られたパターンのクリエイティブを、できるだけ多くの人に、何度も繰り返し配信する」という画一的なアプローチに陥りがちでした。
しかし AI を活用すれば、ユーザーが多様な画面やフォーマットをシームレスに行き来する現代においても、それぞれの文脈に合わせた柔軟なプランニング(英語)が可能となり、的確に需要を取り込むことができます。
視聴者の関心がさまざまな画面をまたいで流動的に変化するなか、クリエイティブ戦略もその変化に適応していく必要があります。成功の鍵は、単にクリエイティブの量を増やすことではなく、AI を活用して変わり続けるユーザーのニーズに応えることです。
たとえば「アセット スタジオ」のような AI ツールを活用すれば、核となるメッセージや世界観を損なうことなく、1 つのアイデアを多彩なフォーマットや文脈へと柔軟に展開できます。
AI は、マーケターのクリエイティビティを代替するものではなく、むしろそれを増幅させる手段です。これについて、YouTube CEO のモーハンは次のように説明しています。「シンセサイザーや Photoshop、CGI がかつて音響や映像の世界に革新をもたらしたように、AI もまた、新しい技術を積極的に取り入れようとするクリエイターにとって大きな恩恵となるでしょう」
エンターテインメント、購買、クリエイティビティ。それぞれの領域が垣根を越えて生まれる好機は、企業の次なる成長を支える原動力となります。クリエイターとそのコミュニティが先導するこの新しい時代において、リビングの枠を超えた豊かな視聴体験を、皆さまと共に YouTube で形作っていけることを心より楽しみにしています。
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