本記事は、US 版 Think with Google のポッドキャスティング番組「Modern Marketers」を日本語に翻訳し、抜粋・編集したものです。この番組では、業界をリードするマーケターやブランドの責任者らに話を聞き、現代のマーケティングのあり方や実践をひもときます。今回は Zola のシャン・リン・マー氏(Co-CEO and Co-Founder)とヴィクトリア・ヴァインバーグ氏(CMO)が登場しました。なお、ポッドキャスト本編は英語ですが、YouTube では日本語字幕で視聴可能です。
スタートアップ企業が最初に CMO を採用するタイミングとは
Zola は 結婚式のプランニングからその後の結婚生活までをサポートするサービスです。2013 年に設立した当初は結婚式用のギフトの配送サービスなどを手掛けていましたが、2017 年から結婚式のプランニングなどに事業領域を拡大しました。そんな Zola が初めて CMO を採用したきっかけは、事業が急成長する中で、取締役会から「CMO が必要だ」と指摘されたことでした。CEO のマー氏によると、それまでさまざまなチャネルで個別の施策は試していたものの、それらを束ねる「全体を包括する戦略」が不在だったのです。
ヴァインバーグ氏は Zola の歴史で 3 人目の CMO です。彼女のマーケティング哲学は「ブランディングとパフォーマンスマーケティングは絡み合っており、そのどちらもが重要」だというもの。Zola はもともと「ウエディングギフトの配送サービス」として広く認識されていました。しかしその後、事業は結婚準備全体やその後の結婚生活までをサポートするものへと進化し、世間のイメージと実態との間にギャップが生まれていたのです。そこで同氏は、このギャップを埋め、ブランドを「結婚準備のワンストップショップ」へと再定義するためのリブランディングに取り組んだのです。
このリブランディングを推進するため、Zola は戦略パートナーとして広告代理店を起用しました。ヴァインバーグ氏は、その代理店が Zola への提案の中で示したある視点に、決定的なインサイトを見出したと言います。多くの競合が「結婚式当日」という 1 点にばかり注目する中、Zola が提供する価値は、カップルを結婚式のその日まで「導いていく道のり」にある、という視点です。この発見から「結婚式までのすべての日々のために(for all the days along the way)」という新しいブランド戦略を構築しました。
一度は失敗したインフルエンサー戦略
Zola は、インフルエンサー施策と通常の広告を組み合わせて展開しています。ヴァインバーグ氏は、インフルエンサー戦略は現代のブランドにとって不可欠としつつも、ウェディングという領域は「かなり難しい」と語ります。
過去には、婚約したばかりのインフルエンサーと提携し、15 〜 18 カ月にも及ぶ結婚準備の道のりを追う「アンバサダー施策」を試みましたが、うまくいきませんでした。準備期間が長期にわたる一方で、クリエイターは日々多くのコンテンツを投稿するため、双方のペースが合わなかったのです。
現在の戦略でも、クリエイターが「ブランドを体現しているか」という適合性は大前提にあります。しかし、過去の失敗を踏まえてより重視するようになったのが「クリエイターの自主性」です。Zola では、クリエイターが「Zola を使った実体験を、自身の言葉で自由に語れる」ように、裁量を委ねることが重要だと考えています。
ヴァインバーグ氏は、「クリエイターは自身のオーディエンスが何を好み、どう話せば響くかを熟知しているプロです。私たちは必要な情報だけを提供し、彼ら自身のやり方で語ってもらうことが、成果を引き出す鍵です」と述べます。この考え方はもはや業界の定石としつつも、そうして生まれた質の高いコンテンツを、自社の有料広告にも活用することが最も効果的だと語りました。
Zola の事例は、マーケティング戦略が企業の成長フェーズや提供価値に合わせて絶えず進化し、事業の実態と企業イメージとのギャップを埋める努力が不可欠であることを示しています。ポッドキャストでは他に、企業の価値観としてインクルージョンを貫いた具体的なエピソードや、お礼状作成を助ける AI の活用事例などにも触れています。なお、ポッドキャスト本編は英語ですが、YouTube では日本語字幕で視聴可能です。
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