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従来の​購買行動は​もう​当ては​まらない、​情報探索行動を​分析して​わかった​こと​:バタフライ・サーキットと​ 8 つの​動機

小林 伸一郎

Social Module

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気に​なった​モノや​サービスは​その場で​スマホで​調べて、​すぐに​購入する​──。​そんな​お買い物の​仕方を​したことがある​人も​多いのではないでしょうか。

今、​日本を​含めた​世界中で​「モノや​サービスを​買う」ことが​ドラスティックに​変化しています。​たとえば、​少額であっても​キャッシュレスで​支払う​人が​多くなり、​さらに​買取型から、​いわゆる​サブスクリプションと​いった​サービス契約型、​もしくは​モノを​複数の​他人と​共有する​シェアリング型に​移っています。​また​買い物する​場所に​ついても、​実店舗から​オンライン店舗に​変化しています。

これらの​変化に​よって、​消費者は​買い物する​時間や​場所、​買い方の​幅が​広がり、​さらには​これまで​存在を​知らかった​ニッチブランドが​購入できるなど、​さまざまな​選択の​機会が​提供されたのです。

生活環境の​変化で​購買行動が​「パルス型」に

このように​環境が​変化した​今、​消費者は​より​瞬発的に​購買行動を​とることが、​2018 年末に​実施した​「パルス消費」の​調査結果から​わかりました。​パルス消費とは​「スマホを​操作している​時間は​いつでも​瞬間的に​買いたい​気持ちに​なり、​買いたい​商品を​発見し、​その​瞬間に​購入を​完了させる」と​いう​消費行動です。​従来型の​「衝動買い」とは​異なり、​こうした​消費行動が​日常的に​行われています。

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左図:従来の​消費行動モデル、​右:パルス型消費行動モデル

また逆の​視点で​見ると、​今の​人たちは​好むと​好まざるとに​かかわらず、​常に​さまざまな​選択を​強いられている​状態とも​言えます。​スマートフォンの​普及と​それに​伴う​アプリの​出現に​よって、​それほど​強い​目的意識が​なくとも、​日々の​ちょっと​気に​なった​ことを、​ついつい​調べてしまうと​いう​行動も​定着しています。

た​とえば​私の​高齢の​母は、​ふと​目に​止まったり気に​なったりした​ことを​(子供や​周囲の​人に​聞くのではなく)​そのまま​スマートフォンに​しゃべって​探しています。​これも​軽やかな​情報探索行動の​一端でしょう。

では​私が​今言ったような​情報探索行動は、​いったい​今の​消費者の​パルス消費的な​購買行動に​どのような​影響を​与えているのでしょうか。​私たちが​それを​知る​ことで、​それが​消費者に​とって​実は​大事な​情報を​提供する​ことになり、​ビジネスに​とっても​不可欠な​ものに​なると​考えました。

そして、​実は​この​課題​感つまり​「今、​人は​どのような​情報探索行動を​経て​モノを​選んでいるのか?」は​日本だけではなく、​アメリカ、​ヨーロッパ、​アジアの​マーケットに​おいても​同じ​課題が​あり、​それぞれで​様々な​調査分析の​対象に​なっています。

そこで、​今回は、​そういった​問いに​日本と​して​主体的に、​答えてく​ためにも、​人々の​情報探索行動を​様々な​方法で​観察、​分析し、​今いったいどの​様な​情報探索行動が​存在しているのか、​さらに​それは​パルス消費とは​どの​様に​繋がっているのかに​ついて​解き明かしていきたいと​思います。

検索が​購買行動を​手助けしている

今の​消費者の​情報探索行動は​どのように​したら​分析できるのでしょうか。​世の​中には​さまざまな​情報探索の​方​法が​存在しています。​SNS、​動画サイト、​口コミサイトと​いった​オンライン上での​探索行動も​あれば、​テレビや​新聞などの​オフラインメディア、​あるいは​実店舗や​知り合いなどからの​情報収集も​あるでしょう。

しかしながら、​その​すべての​データを​分析する​ことは​現実的では​ありません。​では​数ある​情報探索行動の​中で、​人が​情報を​探索する​意図を​もっとも​包括的に​理解できる​行動とは​なんでしょうか。

下図は、​今の​人たちが​商品を​買いたいと​思って​選択する​際に、​情報収集手段と​して​何を​どの​程度​利用しているかを​博報堂が​調査した​ものです。

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購買に​関する​情報収集手段

これを​見れば​明らかなように、​検索が​今もっとも​人々の​購買決定を​手助けしている​手段である​ことが​わかります。​そこで​私たちは、​今回の​目的である​「購買に​つながる情報探索行動全体を​捉える」​ためには、​購買欲求が​始まる​前の​段階から​検索データを​分析すべきだと​考え、​できるだけ​長い​期間の​検索データを​分析する​ところから​始めました。

180 万人分の​データから​ 7221 人の​データを​抽出

ところが、​できるだけ​長い​期間の​検索を​分析する​ための​データは、​なかなか​ありません。​Google 検索の​データは、​こういった​目的では​使わないからです。​そこで​私たちは、​第三者である​調査会社ヴァリューズが​収集した​ビッグデータを​利用して、​インターネット上の​行動を​分析しました。​ヴァリューズは​ 180 万人分の​分析できる​検索データを​保有しています。​当然​これらの​データの​利用に​ついては、​すべて​個々​人から​明示的に​許可を​取っています。

分析の​手順は、​まずいく​つかの​カテゴリーから、​オンライン上で​「契約した」​「申し込んだ」​「買った」など、​何かしらの​コンバージ​ョンを​起こした​ 7221 人の​データを​抽出。​さらに​そこから​ 50 人を​選出し、​その​人たちの​検索ログデータを​最大 2 年分読み解く​ことから​始めたのです。

ここで​選択した​カテゴリーは​「車」​「旅行」​「不動産」​「保険」​「スキンケア」の​ 5 つ。​ただ、​検索ログの​データだけを​見ていても、​なぜ​その​ときに​その​検索を​したのか、​あるいは​検索を​誘発した​ SNS や​口コミなど別の​情報探索行動は​なんだったのかなどは​わかりません。​そこで​私たちは、​それを​対象者に​個別インタビューする​ことで​解き明かしていく​ことにしました。

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具体的な​調査手法

情報探索行動は​一本道ではない

こうした​調査や​分析の​結果から​わかってきた​ことは、​人の​情報探索行動は、​その​商材が​なんであろうと、​まったく​もって​一本道ではないと​いう​ことです。​当たり前の​ことですが、​実は​これが​大きな​発見でした。

一般的に​マーケターが​カスタマージャーニーを​考える​とき、​多くは​「認知」​「興味」​「比較検討」​「購入意向」の​順番で​消費者行動に​落とし込み、​それぞれの​段階に​対して​手を​打つことが​多いと​思います。​たとえば​認知では​「マス広告」を、​興味に​対しては​「SNS サイト」、​比較検討では​「検索広告」、​購入意向では​「E コマースサイトでの​コミュニケーションを​使う」などです。

しかしながら、​これは​ビジネスを​より​合理的に​行う​ために​考えられた、​マーケター視点の​フレームワークです。​そして​この​前提には、​人の​情報探索行動は​スピードの​差こそ​あれ、​徐々に​購買と​いう​ 1 点に​向かっていく​ものだと​いう​前提が​必要に​なります。

次回は​ある​人が​「新婚旅行の​行き先を​どう​決めたのか」を​追い​かけます。​ログデータ分析の​結果から​見えてきた、​情報探索行動の​リアル──を​深掘りします。

  • 従来の​マーケティングが​想定していた、​認知→行動までの​一本道の​情報探索を​否定する​データ分析の​結果は​第 1 回​(本記事)
  • ある​夫婦の​新婚旅行に​関する​検索から​見える、​人々の​情報探索を​かき立てる​ 8 つの​動機は​第 2 回
  • 「さぐる」と​「か​ためる」を​繰り返す、​消費者の​新たな​情報探索行動​「バタフライ・サーキット」の​概要は​第 3 回
  • バタフライ・サーキットの​ 5 つの​パターンは​第 4 回
  • バタフライ・サーキットが​これからの​マーケティングを​どう​変えていくのかの​考察は​第 5 回
コンシューマーマーケットインサイトチーム リサーチ部門統括 (日本 | 韓国) 小林 伸一郎

小林 伸一郎

コンシューマーマーケットインサイトチーム リサーチ部​門統括 (日本 | 韓国)

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