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マーケティング起点の​企業成長へ、​AI 活用が​進む企業の​共通項は?ーー ライフネット生命、​セブン‐イレブン・ジャパン、​NTTドコモ:Google Marketing Live 2024

三浦 由佳

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ここ数年で​マーケティングへの​ AI 活用が​進んだ​一方で、​本当の​意味で​ AI を​ビジネス成長に​つなげる​ための​課題も​見えてきました。

特に​多くの​企業から​聞こえてくるのが、​いかに​経営層や​関係部署の​理解を​得るか。​マーケティング部門だけではなく、​AI 活用を​「全社​ごと​化」できるか​どうかが​鍵を​握っています。

こうした​課題に​対して、​実際に​成果を​収めている​企業は​どのような​取り組みを​進めているのでしょうか。

Google では​ 2023 年に、​マーケティングに​おける​ AI 活用の​フレームワーク​「グロース・トライアングル」を​提唱して​以降、​多くの​企業と​共に​推進してきました。

今回は​その中の​ 3 社の​事例から、​AI 活用を​進める​上での共通項を​探ってみましょう。

全社の​対話で​利益構造を​分解、​ライフネット生命保険

まず​取り上げるのは、​オンラインで​生命保険を​提供する​ライフネット生命保険株式会社です。​生命保険業界の​オンライン化が​急速に​進む中、​マーケティング部​門も​利益目標への​貢献を​明確に​する​必要に​迫られていました。

利益に​つながるマーケティングの​ために、​まず​優先したのは​会社の​経営目標と​マーケティングの​方​向性との​擦り合わせです。​従来の​マーケティングでは​新規の​契約件数を​主な​指標と​していましたが、​それが​最終的な​会社の​利益目標に​対して​どれくらい​貢献しているのかは、​明らかに​できていませんでした。

そこで、​近藤良祐上級執行役員​(当時、​取締役執行役員)​率いる​マーケティング部門が​主導して​「エグゼクティブ・サミット」と​いう、​関連部門との​対話の​場を​設定。​会社全体の​利益構造を​指標レベルに​分解し、​各部門が​どの​指標に​責任を​持つのかを、​全体で​共通認識を​持てるようにしました。

マーケティング部、経営企画部、営業企画部、経理数理部など部門横断で議論するエグゼクティブサミット

な​お、​マーケティング部門が​主導で​こうした​動きを​仕掛ける​際には、​会社が​置かれた​社会状況も​う​まく​利用しました。​2023 年に​国際財務報告基準​(IFRS)が​導入された​ことで、​保険の​新規契約に​かかる​獲得費用を​保険期間全体に​繰り​延べて​計上できるようになり、​期間損益や​収益性の​実態を​より​明確に​示せるようになりました。​これに​より、​長期的な​収益が​見込める​契約への​マーケティング費用が​「投資」と​して​評価されるようになったのです。​こうした​状況も​追い​風に​しながら、​マーケティング起点での​企業価値の​向上を​目指しました。

エグゼクティブ・サミットでの​対話を​経て​新たに​決めた​方​針が、​マーケティングで​獲得した​保険契約に​対して、​異なる​「価値」を​割り当てる​ことです。​契約ごとに​生み出す利益は​異なる​ため、​単に​契約件数を​目標と​するだけではなく、​それぞれの​契約の​価値を​重視して​取り組む​必要が​あると​結論​付けました。

この​方​針を​踏まえて、​現場業務では​マーケティングの​投資対効果​(ROI)の​可視化に​着手しました。​他部署と​連携し、​Google 広告を​主な​チャネルと​して、​契約 1 件ごとに​想定される​利益額を​設定する​ための​データを​作成。​Google 広告経由での​ ROI を、​Google アナリティクス 4 で​追跡可能に​しました。

また​一部で​「価値に​基づく​入札戦略」に​よる​目標広告費用対効果​(ROAS)での​試験的な​運用を​開始。​過去の​申し込み率や​成約率、​平均の​契約期間と​いった​データを​分析し、​想定の​「コンバージョン​(CV)​値」を​設定しました。

結果と​して​目標 ROAS での​運用は、​従来に​比べて​ CV 値が​ 35% 増え、​契約件数は​ 11% 増加しました。​特に​オンライン生命保険と​いう​サービス性質上、​戦略的に​重要な​ 20 代 ~ 30 代の​割合が​増えたことも​大きな​成果でした。

今後は、​CV 値に​対するより​精緻な​検証も​視野に​入れながら、​データに​基づいた​戦略的な​マーケティングアプローチを​継続していく​方針です。

AI 活用を​進める、​セブン‐イレブン・ジャパンの​組織再編

続いて​紹介するのは、​株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの​事例です。​近年の​在宅勤務の​定着や​中食市場の​激化に​伴い、​同社の​店舗を​取り巻く​市場環境に​影響が​出ていました。

その​中で、​顧客 1 人​ひとりの​嗜好や​行動を​分析して​来店を​促す One to One マーケティングの​起点と​して、​「セブン-イレブンアプリ」の​活用に​注力してきました。​アプリユーザーの​データと、​ID-POS データ​(顧客 ID と​紐付いた​購買データ)を​連係させた​データ基盤を​構築。​また​ 2022 年には、​アプリを​「メディア」と​位置付ける​リテールメディア事業を​立ち上げ、​他社メーカーの​広告を​セブン-イレブンアプリに​掲載すると​いった、​コンビニと​しては​画期的な​取り組みを​行っています。

これらは​過去の​記事でも​取り上げてきましたが、​今回注目したいのは、​その​背景で​組織を​どのように​再編したかです。

2022 年 3 月、​従来の​販売促進部を​商品本部​傘下の​マーケティング部に​再編しましたが、​意外にも​それまで​同社には​「マーケティング」と​名の​付く​部門は​ありませんでした。​その​後​ 2023 年には​「マーケティング本部」を​立ち上げ、​商品開発を​行う​「商品本部」、​物流網の​構築を​担う​「QC・物流管理本部」と​並ぶ柱と​して​マーケティングを​位置付けたのです。

以前は商品本部が商品を決定し、販売促進部が店舗に共有していた。現在はデータに基づいた仮説検証を行い、商品開発や店舗と連携してマーケティング施策が進められている。

再編以前は、​販売促進部が​中心と​なって​特定の​商品を​マス向けに​どう​宣伝するかに​主眼を​置いていました。​また​再編後も、​マーケターに​相当する​役割を​担っていたのは​商品本部の​商品開発担当だった​ため、​起点と​なるのは​商品です。​「何が​支持を​集めているのか」​「どこに​改善点が​あるのか」を​分析して​開発を​進めていました。

しかし​マーケティング本部​内に​マーケティング戦略部を​設立した​現在は、​購買データや​アプリの​会員データの​活用基盤も​整った​ことで、​商品、​店舗だけでなく​「顧客」を​起点とした​中長期的な​マーケティング戦略の​立案が​可能に​なったのです。

以前は​商品本部が​次に​売り出したい​商品を​決め、​それを​販売促進部が​各店舗に​共有していましたが、​現在は​データドリブンで​仮説検証を​進めながら、​中長期的な​戦略の​中で​優先順位や​スケジュールを​決定できます。​商品開発や​店舗と​一体と​なって​マーケティング施策を​進められるようになったのです。

創業から​ 50 年以上も​小売ビジネスを​展開してきた​同社が、​組織の​形も​変えながら​新たな​マーケティングや​新規事業を​進められた​裏には、​情熱を​持って変革を​進めた​仕掛け人の​存在が​ありました。

同社の​事例では、​マーケティング本部​長の​岡嶋則幸氏や、​アプリと​リテールメディアを​総括する​杉浦克樹氏が​これに​当たります。​当初は​「リテールメディア」と​いう​言葉を​理解して​もらうだけでも​難しかった​ところから、​One to One マーケティングの​重要性や、​購買データや​アプリ会員データが​競争力の​源泉に​なる​こと、​リテールメディアが​会社の​持続的な​成長の​支えに​なる​ことなどを、​粘り強く​経営陣に​訴え続けました。

またリテールメディアの​立ち上げには、​小売とは​まったく​異なる​広告業に​近い​能力が​求められる​ため、​外部​パートナーの​力を​借りる​ことも​重要です。​代理店業務に​ついて​広告代理店と​連携したり、​組織の​カルチャーに​ついて​ Google と​勉強会を​開催したりと、​社内外の​協力を​得ながら​変革の​うねりを​大きくしていく​ことで、​組織の​形も​カルチャーも​変えていったのです。

マーケティングの​ AI 活用を​全社​横断で、​継続的な​実験で​ LTV を​高めた​ NTTドコモ

最後に​紹介するのは、​株式会社NTTドコモの​事例です。

幅広い​サービスを​展開する​同社では​過去に、​各サービスの​評価基準が​バラバラで、​個別の​ KPI を​追求していた​ことで、​組織の​サイロ化が​進み、​会社全体の​ビジネス成長に​対して​最適化が​できていませんでした。

そこで​ 2022 年 7 月に​社内カンパニー制を​導入し、​横断的な​マーケティング組織を​設立。​ ライフタイムバリュー​(LTV)の​算出方​法を​統一して​全社​共通の​指標に​する​ことで、​マーケティング戦略の​全体​最適を​図りました。

短期的な​ KPI だけでなく、​LTV と​いう​長期的な​視点での​評価の​意識が​高まり、​既存顧客の​維持や​育成に​よる​顧客満足度の​向上や、​サービス間の​クロスセル/アップセルの​促進、​マーケティング価値の​向上と​いった​効果が​得られました。

LTV を全社共通の指標に

まずは​デジタル広告の​改善から​始めました。​LTV に​対する​成果を​定量的に​測りやすく、​さらに​部門を​超えて​その​知見を​展開しやす​いためです。

従来の​デジタル広告を​分析した​ところ、​ブランドワードや​リマーケティングと​いった​顕在層への​アプローチに​偏っていた​ことが​明らかに​なりました。​これでは​顧客層が​広がらず、​将来的には​獲得件数が​頭打ちに​なってしまいます。

効果的に​広告の​配信面を​広げて​潜在顧客へと​アプローチする​ために​「P-MAX キャンペーン」と​検索広告を​運用しました。​P-MAX キャンペーンは、​幅広い​ Google の​広告枠に​対して、​1 つの​キャンペーンで​網羅的に​配信できる​製品です。​Google AI が​学習を​しながら​自動で​最適化します。​その後、​検索広告の​マッチタイプも​徐々に​「インテント マッチ」に​切り​替え、​さらに​効果的な​広告配信を​目指しました。

LTV の​高い​潜在層を​獲得するには、​より​深い​ CV ポイントを​ AI に​理解して​もらう​必要が​あります。​その​ため​「価値に​基づく​入札戦略」も​活用しました。

顧客獲得単価(CPA)を 25% 削減しながら獲得件数は 90% 増え、投資額は前年比で 50% 引き上げることができた。

その​結果、​顧客獲得単価​(CPA)を​ 25% 削減しながら、​獲得件数は​ 90% 増。​またより​利益に​つながる CV 値の​高い​顧客の​獲得への​貢献が​明らかに​なった​ことで、​投資額も​前年比で​ 50% 引き上げることができました​(*1)。

成功の​裏には、​関連する​事業部への​丁寧な​説明が​ありました。​NTTドコモのような​大企業で​新たな​ソリューションを​導入するには、​さまざまな​部署との​調整が​必要です。

そこで​まずは、​最終的な​事業責任や​投資判断を​担う​事業部​サイドに​対して、​想定される​収益への​インパクトを、​シミュレーションなどを​基に​丁寧に​説明を​しました。

同時に、​新しい​技術や​ツールに​興味を​持つ​現場の​メンバーに​直接声を​かけ、​小規模な​プロジェクトチームを​組成。​細かい​調整よりも​まず​実装して、​人間が​やるべき​ところ、​AI に​任せる​ところを​分けて​スピーディに​検証する​ことを​優先しました。

横断組織を​立ち上げ、​事業部の​デジタルマーケティングを​支援していく​ことで、​高速で​ PDCA を​回しながら​成果に​つなげた​好例です。

AI 活用を​「全社​ごと」化する​ 3 つの​ポイント

冒頭で​書いた​通り、​マーケティングでの​ AI 活用を​通じて​ビジネス成長を​実現する​鍵は、​「全社​ごと​化」です。

今回の​ 3 社に​代表されるように、​過去さまざまな​企業との​取り組みを​進める​中で、​この​全社​ごと​化に​成功している​企業には、​3 つの​共通項が​見えてきました。

まず​ 1​ つは​「対話の​場」の​設定です。​ビジネス目標と​マーケティング目標が​向かう先を​一致させ、​マーケティング投資の​妥当性を​組織全体に​理解して​もらう​ためには、​マーケティング部​門や​近接部門に​閉じる​ことなく、​経営企画や​財務など​幅広い​部署との​連携が​欠かせません。​会社と​して​目指す​最終的な​ビジネス目標と、​各部門が​設定している​目標との​結び​つきを​整理し、​全社で​共通の​目標を​持つことは、​ライフネット生命の​「エグゼクティブ・サミット」の​ように、​マーケティング部から​働きかけて​対話の​場を​設定する​ことで​こそ、​実現できる​ものです。

全社​ごと​化の​ポイント 2​ つめは​「仕掛け人」の​存在です。​紹介した​セブン‐イレブン・ジャパンに​限らず、​AI 活用を​進めようと​する​過程では、​組織の​壁に​直面する​ことが​多いでしょう。​だから​こそ、​上で​挙げた​対話は​もちろん、​それらを​主導する、​明確な​ビジョンを​持って AI 活用の​必要性を​粘り強く​訴え続けられる​人物の​存在が​重要です。​これは​何も、​上層部しか​担えない​役割では​ありません。​現場で​活躍する​マーケターも​積極的に​担うべき​役割です。

そして​ 3 つ目は​「AI への​理解と​継続的な​実験」です。​AI 活用は、​一朝​一夕で​実を​結ぶ​ものでは​ありません。​質の​高い​データや​それに​基づく​学習を​通じて​改善を​続けていく​ことが​重要です。​最初は​小さくから​でも​ AI 活用を​始め、​高速で​ PDCA サイクルを​回しながら​成果が​出る​条件を​見つける​ことで、​効率化にとどまらない​新たな​可能性が​広がり、​最終的な​成長へと​つながっていくのです。

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三浦 由佳

マネジングディレクター インサイト&ソリューション

出典 (1)

*1: NTTドコモ​「dスマホローン」での​実績

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