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「全方​位」​「主観」​「慎重」​「真面目」​「瞬発」​ 5​ つに​分類できる​探索行動パターン:バタフライ・サーキットと​ 8 つの​動機

小林 伸一郎

Social Module

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バタフライ・サーキットには​「さぐる」​「か​ためる」と​いう​ 2​ つの​情報探索回路が​あり、​それぞれ に​4 つずつ異なる​情報探索動機が​ある​こと、​また​5業種での​バタフライ・サーキットしている​人、​旧来型の​情報探索行動を​とっている​人の​割合に​関して、​前回ご紹介しました。​そして、​バタフライ・サーキット上に​ある​それらの​情報探索行動は、​業種や​消費者の​性格、​今置かれている​環境などに​よってさまざまです。

そこで​今回は、​各業種商品購入者に​対して​実施した​インタビューと​検索データ分析およびアンケート調査の​結果から​見えた、​バタフライ・サーキットの​ 5 つの​パターンを​紹介します。​これらの​パターンは​同じ人でも、​買い物の​種類や​状況に​よって​異なる​パターンの​バタフライ・サーキットを​起こすことが​わかっています。​それを​理解して​もらう​ために、​私個人の​最近の​買い物体験に​ついても​併せて​紹介します。

バタフライ・サーキットの​ 5 つの​パターン

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全方​位型

1 つ目の​パターンは​「全方​位型」。​これは、​商品購入の​思い​立ちから​実際に​購入に​いたるまでの​間、​満遍なく​積極的に​情報探索​(バタフライ・サーキット)​して、​かつ先ほどの​「さぐる」​「か​ためる」両方の​動機が​バランスよく​現れる​パターンです。

さまざまな​情報に​囲まれた​環境の​中で、​自然に​とられる​探索行動であり、​商品を​選択する​ときも、​SNS などを​通じて​これまで​知らなかった​興味を​そそられる​商品や​サービスに​出会うと、​パルス、​つまり​瞬間的に​買いたい​気持ちに​なることが​多いようです。

例えば​私の​場合、​旅行の​計画が​これに​当たります。​旅行に​行きたくなると、​あえて​どこに​行くかを​決めずに、​日々​ちょっと​ずつスマホで​調査し始めます。​ヨーロッパから​南アフリカ、​今流行りの​ポートランドなどを​バタフライ・サーキットし、​その​とき​知った、​なんと​なく​気に​なる​行き先に​ついて、​フライト時間を​調べてみたり、​他の​人たちの​レビューを​読んで​みたり、​そこから​また​他の​行き先と​比較してみたりと、とにかく​いろいろな​情報を​探ります。

結局は、​それまでは​調べる​対象に​なっていなかったのですが、​航空会社の​予約サイトではじめて​目に​ついた​韓国の​チェジュ島に​パルスする、​などが​この​パターンの​典型的な​行動です。

主観型

2 つ目の​パターンは​「主観型」。​この​パターンも、​商品購入を​思い立ってから​実際の​購入に​いたるまで、​継続的に​情報探索​(バタフライ・サーキット)を​続けますが、​全方​位型に​比べて​「気晴らしさせて」​「学ばせて」の​割合が​大きい​一方、​「みんなの​教えて」​「にんまりさせて」が​極端に​少ないのが​特徴です。

また、​モバイル検索に​頼る​傾向が​強いです。​日ごろスマホを​使った​気晴らし検索を​している​結果と​して、​ピンときた​商品に​パルスして​購入を​心に​決めた​後に、​その​商品の​スペックなどを​調べ始めます。​また​自分が​いいと​思えば、​他人の​評価は​あまり​気に​しない​ことが​多いようです。

例えば​私の​場合、​家電商品の​購入が​これに​当たります。​私は​家電商品を​選ぶ​とき、​性能よりも​デザインを​重視します。​なぜなら、​いい​デザインの​家電商品は​性能も​いいと​思っており、​そして​それが​いい​デザインかは​人に​聞く​ことではないと​思っているからです。

そこで、​普段から​気晴らしに​家電に​ついて​情報探索しており、​これは​デザインが​いいなと​思った​後に、​これは​うちの​キッチンに​入るのかなどを​確認します。​基本的に​この​段階で​その​商品を​買う​ことは​決めている​ため、​万が​一その​商品の​サイズが​合わなければ、​替わりを​探すことは​ありません。​また​バタフライ・サーキットを​始めるだけです。

慎重型

3 つ目の​パターンは​「慎重型」。​この​パターンは、​商品購入を​思い立ってから​検討している​間、​その​商品に​関して​網羅的な​情報探索行動​(バタフライ・サーキット)を​し、​その​中で​購入したい​商品が​決まると、​最後は​実店舗に​出向くと​いう​パターンであり、​オンライン to オフラインな​行動です。

この​パターンは、​友人や​家族の​意見、​お店の​人の​お勧めを​聞く​ことが​多く、​情報ソースを​オンラインだけに​頼らない​傾向が​強いです。​情報探索の​動機と​しては、​「学ばせて」​「解決させて」の​割合が​比較的​大きく、​この​点からも、​買い物に​対して​慎重な​態度が​見て​取れます。

例えば​私の​場合、​母の​スマホの​買い​替えが​これに​当たりました。​私自身の​ことで​あれば、​オンラインで​買うか​実店舗で​買うかは​こだわっていません。​しかしながら​母親の​ものと​いうだけで、​私の​バタフライ・サーキットは​大きな​変化を​見せます。​高齢者の​スマートフォンは​どのような​機種が​いいのかを​同僚に​聞いたり、​「高齢者 スマホ」などと​検索したりして​情報を​獲得していきました。

その​結果、​母親と​実店舗に​行き、​ショップ店員の​意見も​聞いた​上で、​「この​キャリアの​この​機種なら、​買った​後に​母親に​あれこれ聞かれなくてすみそうだ」と​瞬間的に​感じた​ものを​購入したわけです。​これは​普段の​買い物とは​違う、​かなり​慎重型の​購入だったと​言えます。

真面目型

4 つ目の​パターンは​「真面目型」。​この​パターンは、​先ほどの​慎重型とは​逆で、​オフライン to オンラインな​行動に​なります。​雑誌や​口コミと​いった​普段の​オフライン情報接触の​中で​購買意欲が​刺激されパルスし、​そこから​本格的な​情報探索​(バタフライ・サーキット)が​はじまります。

情報探索も​「学ばせて」​「解決させて」​「心づもりさせて」と​いった​動機が​多く、​客観的な​情報や​機能性を​知りたがる​パターンであり、​自分が​購入すると​決めた​商品に​関して、​しっかり​学んで​おきたい、​さらには​入手した​後に​想定される​問題にも​あらかじめ対処しようとする​傾向が​見られます。

私の​場合は​サプリが​この​パターンに​当たります。​普段から​なんとなく​眠りの​質を​向上させたいと​思っていましたが、​それほど​真剣には​考えていませんでした。​しかし、​同僚が​ふとした​ときに​「最近​ XXX を​飲んでいて、​グッスリ眠れるんだ」と​言っているのを​耳にし、​さらに​同じころに​その​商品の​広告を​偶然見た​ことで、​「よさそうだ。​試してみたい」と​いう​気持ちに​なりました。

しかしながら、​体に​入る​ものだと​いう​ことも​あり、​その​商品に​ついて​もう​少し​調べてみたいと​感じ、​バタフライ・サーキットを​開始しました。​さらに​その​サプリが​効かなかったと​いう​人の​口コミを​探し、​それを​書いた​人の​睡眠に​対する​悩みが、​自分の​悩みよりも​ずっと​深い​ことを​知り、​自分には​この​くらいが​ちょうど​いいのだろうと​確信してから​購入を​決めました。​まさに​真面目型であると​言えます。

瞬発型

5 つ目の​パターンは​「瞬発型」。​デジタルでの​情報探索行動​(バタフライ・サーキット)を​通して​商品や​サービスを​発見する​ことを​楽しみ、​そこで​得た​インスピレーションに​忠実に、​「これ」と​思ったら​一気に​専門サイトなどに​訪問し、​一定の​確信を​得て​購入します。

一方​で​購入決定の​後に、​その​決定が​正しかったのかを​気に​する​傾向に​あり、​「心づもりさせて」や​「答え​あわせさせて」が​多く​見られます。​思い​立ちから​購入までが、​もっとも​瞬発的に​起こる​行動と​言えます。

例えば​私は​料理が​好きなので、​ブログや​ EC サイトを​見ながら、​新しい​調理器具を​探すのを​楽しんでいます。​自分の​普段の​料理工程などを​思い浮かべながら、​これ​あったら​便利!​ と​思う​調理器具が​あれば、​専門サイトでの​評価や​レビューを​確認し、​高評価と​低評価の​両方を​考慮した上で、​少なくとも​自分が​使いこなせそうな​ものだと​判断したら、​すぐに​購入してしまいます。

このように、​普段から​興味を​もっている​分野の​商品に​関して、​発見から​購入までの​タイムスパンが​短いのが、​この​パターンの​特徴です。

各業種別に​見る​ 5 つの​パターンの​割合

一言で​バタフライ・サーキットと​言っても、​このように​実は​さまざまな​パターンが​存在している​ことが​わかって​もらえたでしょうか。​では​これら​ 5 つの​パターンが、​今回調査した​各業種​(車、​不動産、​スキンケア、​旅行、​生命保険)に​どのような​割合で​存在しているのかを​紹介します。

車……​情報探索行動の​変化は​緩やかで、​旧来型が​多め

車に​興味が​ある​層に​おいては、​これら​5業種の​中でもっとも​旧来型が​多く​存在し​(30%)、​その​次が​主観型と​真面目型でした。​一方で​全方​位型が​もっとも​少なく、​さらに​今回の​分析では、​車購入に​対しての​瞬発型は​見られませんでした。

今、​日本では​特に​若年層が​「車」​その​ものに​関心を​持たなくなってきていると​言われる​裏付けかのように、​情報探索行動の​変化は​5業種の​中で、​最も​緩やかであると​言えます。

不動産……​気晴らしに​情報が​検索される

不動産への​興味は、​賃貸と​購入の​両方を​含んでいます。​ここで​目立つのは、​全方​位型と​真面目型の​高さ。​強い​引っ越し欲求が​まだない​中で、​気晴らしに​情報を​検索している​姿が​想像されます。​この​ときに​見ているのは、​現実から​背伸びした​物件かもしれません。​そして、​そういう​物件に​暮らす​自分や​家族を​想像しながら、​本当に​必要な​条件を​自然に​選びとっていく。​そんな​バタフライ・サーキットなのでしょう。

一方で​不動産に​主観型は​見られませんでした。​自分が​暮らすと​なったら、​すでに​その​場所を​知っている​他の​人の​意見が​重要な​情報に​なるからだと​思います。

スキンケア……​コスメ売り​場から​ E コマースサイトへ​シフト

スキンケアに​関しては、​全方​位型が​多いのが​特徴です。​これは、​スキンケアに​ついて​調べる​ことが、​もは​や趣味と​なっている​人たちが​いる​ことを​示しています。​一方で​オンライン to オフラインである​慎重型は、​想定していた​ほど​多くは​なく、​それよりも​オフライン to オンラインの​真面目型が​強い​結果と​なりました。​これは、​デパートの​コスメ売り​場から、​E コマースサイトへの​シフトを​意味していると​考えられます。

今回スキンケアに​関しては、​主観型が​見られませんでした。​これは、​やはり​「みんなの​教えて」​「にんまりさせて」が​この​種の​情報探索には​必須であると​言えるからかもしれません。

旅行……​情報探索行動自体が​すでに​旅行

旅行に​関しては、​スキンケアとは​逆に​主観型が​多く​見られます。​これは​他の​カテゴリーに​比べて、​より​「私的な​満足の​追求」に​対する​欲求が​高いためだと​考えられます。​一方で​旧来型も​ 30% と​多く​存在し、​この​カテゴリーは​旧来型の​情報探索行動を​とる​人たちから、​全方​位型のような、​より​積極的に​バタフライ・サーキットする​人たちまでを​包含する​カテゴリーの​ようです。

一方で​瞬発型が​この​カテゴリーで​存在しない​ことは、​少なからず​情報探索行動、​それ自体が​すでに​旅行と​いう​体験に​なっている​ことを​現しているのかもしれません。

生命保険……​加入時に​正解が​わからないので​全方​位型と​真面目型が​目立つ

生命保険は、​結局なにが​正解なのかが​加入時には​わからない​商品である​ため、​全方​位型と​真面目型が​目立ちます。​保険に​関する​情報探索行動は、​決して​楽しい​行動ではない​反面、​間違えたくないと​いう​気持ちが​バタフライ・サーキットを​回しているようです。​一方で、​どれも​同じと​思っている​人は、​瞬発型ですぐに​決めてしまうのかもしれません。

また​同じ​理由で、​生命保険に​関しては​主観型が​見られませんでした。​正解が​わからない​中で、​先人の​意見を​聞くのでしょう。

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図:各業界別に​みる​パターンの​割合

最終回に​なる​次回は、​ここまで​説明してきた​バタフライサーキットが、​今後の​マーケティングを​どの​様に​変化させていくのか?に​ついて​考察していきます。

  • 従来の​マーケティングが​想定していた、​認知→行動までの​一本道の​情報探索を​否定する​データ分析の​結果は​第 1 回
  • ある​夫婦の​新婚旅行に​関する​検索から​見える、​人々の​情報探索を​かき立てる​ 8 つの​動機は​第 2 回
  • 「さぐる」と​「か​ためる」を​繰り返す、​消費者の​新たな​情報探索行動​「バタフライ・サーキット」の​概要は​第 3 回
  • バタフライ・サーキットの​ 5 つの​パターンは​第 4 回​(本記事)
  • バタフライ・サーキットが​これからの​マーケティングを​どう​変えていくのかの​考察は​第 5 回
コンシューマーマーケットインサイトチーム リサーチ部門統括 (日本 | 韓国) 小林 伸一郎

小林 伸一郎

コンシューマーマーケットインサイトチーム リサーチ部​門統括 (日本 | 韓国)

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