アプリ インストール後の口座連携(セットアップ)完了数の向上率
従来の施策と比較した、アプリ インストール後の口座連携(セットアップ)1 件あたり獲得単価の削減率
株式会社りそな銀行は、預金や融資にとどまらず、資産運用、相続、不動産、企業支援までを一体で提供する総合金融サービスを展開しています。デジタル分野にも注力しており、お客さまの利便性向上を目指して、さまざまな取引や手続きがスマートフォン上で完結する「りそなグループアプリ」を提供・運営しています。
「単にアプリをインストールしている人ではなく、"一度でも起動したことがある人” に絞るなど、オーディエンス リストを工夫したことが成果につながりました。」
株式会社りそな銀行 個人部
八幡 優花 様
課題
りそな銀行では、デジタル広告をはじめ、紙のダイレクト メールや店頭チラシ、店頭での案内、さらには ATM での画面プロモーションなど、「りそなグループアプリ」に対して多角的なマーケティング施策を展開しています。
その中でアプリの活用促進施策を担当している個人部の八幡様は、「従来、アプリ インストール キャンペーンを活用していましたが、ユーザーがアプリをインストールした後の口座連携(セットアップ)をいかに進めるかが、大きな課題となっていました。アプリで口座連携をすることではじめて、振込や NISA、カードローンの申込など、他の取引もアプリで完結できるようになるためです」と話します。このことから、他商材へ取引をつなげる窓口として、アプリでの口座連携は事業戦略上とても重要な指標だったと言えます。
そこで同行が解決の糸口を探るために社内データを分析したところ、口座連携に至っていない最も多い層が 50 代以降の層であることが判明しました。「この結果から、高年齢層にある “銀行取引は店舗や ATM で行うもの” という思い込みや、アプリ操作へのハードル、セキュリティ面への不安が障壁になっているのではないかという仮説を立てました」と八幡様は言います。また、当時の広告展開を振り返ると、クリエイティブの訴求軸がアプリの機能面の紹介に偏っており、こうした未連携ユーザーの心理的な課題に合わせた表現へとアップデートしていく必要性が見えてきました。
解決策
課題解決のために導入したのが、アプリ エンゲージメント キャンペーンです。このキャンペーンは、既にアプリをインストールしている未連携ユーザーに広告を届けることができます。
「特にこだわったのが、オーディエンス リストの設計です。単にアプリをインストールしているユーザーを対象とするのではなく、精度を高めるため、 “実際にアプリを一度でも立ち上げたことがある人” という自行のデータを軸に活用しました」と、八幡様はその工夫を語ります。さらに、その有効期間を Google 広告の設定上限である 540 日間に設定。これにより、過去に一度でもアプリを起動したことがある「休眠ユーザー」を幅広く網羅して、そこから既に口座連携済みのユーザーを除外するという、非常に精度の高いオーディエンス リストを構築しました。
また、クリエイティブでは、「口座未連携のユーザーのボトルネックを解消することに集中した」と八幡様は言います。その言葉通り、メインに据えた 15 秒の動画広告では、実際のアプリ画面を見せながら「3 ステップでできる」といった具体的な手順を説明し、どれだけ簡単に完結するかを訴求しました。さらに、「1,000 万ダウンロード突破」といった実績やセキュリティの安心感を伝える要素をプラスしました。
そして、そこからの効果検証では、入稿した複数の動画やテキストの中から、Google の AI が成果のよいパターンを自動で見極めて優先的に配信。その配信結果からインプレッション(表示回数)やクリック率などの指標を確認し、クリエイティブのパフォーマンスを数値化して評価することで、オーディエンスに最も響く最善の組み合わせへと改善を繰り返しました。
結果
「施策を開始して約 2 か月という早い段階から、明確な成果が表れました」と八幡様は笑顔で話します。最終的に、アプリ インストール後の口座連携完了数の向上率は 21.5% を記録し、当初のシミュレーションを大幅に超える結果となりました。
さらに、口座連携 1 件あたりの CPA(獲得単価)も、アプリ インストール キャンペーンのみを利用していた期間と比べて、17.8% 削減することに成功しています。また、「口座連携を目的として配信した広告でしたが、蓋を開けてみると従来のアプリ インストール キャンペーン経由のユーザーと比較して、その後のカードローンや振込、NISA の申込など、他の商材の利用率が非常に高いことがわかりました」と、八幡様は想定外の成果を振り返ります。また、今回の施策後に新たに口座連携を完了したユーザーの年齢層を分析すると、50 代以上だけでなく、若年層も同じように増加していました。アプリ インストール キャンペーンと並行してアプリ エンゲージメント キャンペーンを掛け合わせたことで生まれたこれら一連の成果は、同行にとって今後の可能性を広げる、確かな手応えとなりました。
まとめ
今回の成功のポイントは、同行内のデータから導き出した仮説に基づき、休眠ユーザーを広く捉えるオーディエンス リストの設計と、オーディエンスの心理的障壁を解消する動画クリエイティブの双方を追求できたことです。「Google の AI の優れた機械学習や、アプリ内の特定イベントに合わせて最適化できる点が非常に魅力だと感じています」と言う八幡様は今後、獲得から LTV(顧客生涯価値)の最大化までを一体で最適化していく方針です。