プライバシー保護に対するユーザーの期待は高まる一方であり、新しいポリシーの導入により、消費者データを収集して広告に利用する方法にも変化が生じています。これらの新しいプラットフォーム標準に効果的に対応するには、今利用できる iOS の測定ソリューションについて理解しておくことが重要です。
このガイドでは、以下の概要について包括的に説明します。
- Google がサポートする iOS の主な測定フレームワーク
- フレームワークの主な違い
- 各フレームワークの最適な利用について Google が推奨するガイダンス
- SKAdNetwork を利用する
- iOS の測定とパフォーマンス全般に関するベスト プラクティス
Google がサポートする iOS の主な測定フレームワークを理解する
iOS アプリ インストール キャンペーンでは、以下のような新たな測定方法を利用できます。
- Google のコンバージョン モデリング: Google 広告でレポートされる推定コンバージョンにより、コンバージョンの一部が広告インタラクションに直接リンクできない場合でも、Google AI を利用してキャンペーンのイベント単位のパフォーマンスを評価できます。詳しくは、オンライン コンバージョンの推定についてをご覧ください。
- Apple の SKAdNetwork: SKAdNetwork(SKAN)を使用すると、集計されたアプリの広告アクティビティ(インプレッション、クリック数、アプリ インストールなど)を測定できます。SKAdNetwork は、複数の広告ネットワークにまたがる iOS キャンペーンのパフォーマンスを評価するうえで、一部のアプリ広告主様にとってますます重要なフレームワークとなっています。
注
コンバージョン モデリングと SKAdNetwork のレポートの主な違いを理解する
どちらの測定フレームワークも有益な分析情報を提供しますが、基盤となるロジックと設定に大きな違いがあります。このような根本的な違いがあるため、両者でレポートされるデータに多少の差異が生じるのは正常であり想定内のことです。
コンバージョン モデリングと SKAdNetwork の主な違いは次のとおりです。
- 計測期間: SKAdNetwork バージョン 3 では、インストール後のコンバージョンを評価するのに 24 時間という比較的短い計測期間が採用されています。コンバージョンの計測期間をインストールから 1~90 日の範囲で設定できる Google のコンバージョン モデリングとは、この点で異なっています。Google では、アプリのユーザー ジャーニーを正確に把握するため、インストール後のアクティビティをより長い期間にわたってモニタリングしています。
- 検索ブラウザでの、ウェブからアプリへのコンバージョンの測定: SKAdNetwork バージョン 4 のアップデートではウェブからアプリへのコンバージョンのオブザーバビリティが改善されていますが、対象は Safari ブラウザに限定されています。そのため、Chrome や Firefox など、SKAN でサポートされていない他のモバイル ブラウザでは、測定に若干の差異が生じる可能性があります。Google のコンバージョン モデリングは、キャンペーンのすべての検索タッチポイントを対象としています。
- 再ダウンロードの定義: SKAdNetwork では再ダウンロードの定義をカスタマイズすることができませんが、Google およびほとんどのサードパーティの App Attribution Partner では再ダウンロードと新規インストールの定義を指定するオプションがいくつか提供されています。これらのオプションの設定によっても、レポート間でデータの差異が生じる場合があります。
各 iOS 測定フレームワークの利用が適しているケースを理解する
コンバージョン モデリングと SKAdNetwork は、iOS アプリ キャンペーンの測定においてそれぞれが重要な役割を果たします。ビジネス上の意思決定を行う際に利用するフレームワークについて、広告主様には次の点を考慮することをおすすめします。
- SKAdNetwork を使用すると、複数の広告ネットワークにまたがるキャンペーンのパフォーマンスの全体像を把握できます。したがって、このフレームワークは、複数のパートナーを包含する全体的な広告予算を計画する際など、長期的な意思決定を行う場合に適しています。指定された計測期間、タイマー、その他の変数を処理するのに時間がかかるため、SKAN のレポートは 30 日に 1 回程度確認することをおすすめします。一方、リアルタイムの詳細な分析や、1 日または 1 週間単位の最適化を行いたい場合、このフレームワークは最適とは言えません。
- コンバージョン モデリングでは、キャンペーンのパフォーマンスを詳細に把握できるため、どの広告クリエイティブが最も効果的かなど、最適化に関する判断を下す際に役立ちます。コンバージョン モデリングの主なメリットの一つは、SKAN レポートのデータが利用できない場合に使用できるという点です。特に、アプリのインストール後にユーザーが行う操作をトラッキングする際に役立ちます。アプリの計測期間を通じてユーザーの総合的な価値を詳細にレポートで把握したい広告主様には、コンバージョン モデリングをおすすめします。
多くの広告主様は、これらの測定フレームワークを両方活用しており、長期的な計画には SKAN を、毎日の最適化にはコンバージョン モデリングを使用しています。
注
インストールとアプリ内イベントの測定に SKAdNetwork を利用する
多くのアプリ広告主様は、インストールとアプリ内イベントの測定の両方に SKAdNetwork ベースのアプローチを採用しています。
インストールの測定
SKAdNetwork でインストール数を測定する場合は、次の手順でレポートデータを確認できます。
- Google 広告の管理画面で、[キャンペーン] アイコン
をクリックします。
- セクション メニューで [キャンペーン] プルダウンをクリックします。
- [キャンペーン] をクリックします。
- ページ上部のレポート アイコン
をクリックします。
- [その他] をクリックします。
- [SKAN コンバージョン] をクリックします。
アプリ内イベントの測定
SKAdNetwork のコンバージョン値スキーマをセットアップして、アプリ内イベントのパフォーマンスを測定し、インストール後のアクションまたは目標広告費用対効果を重視してキャンペーンをより効果的に最適化しましょう。スキーマにより、ビジネスにとって重要なアプリ内イベントやアプリ内収益のバケットを指定することができます。詳しくは、SKAdNetwork コンバージョン値のスキーマをセットアップするをご覧ください。
コンバージョン値スキーマ戦略を導入する際は、次の点にご留意ください。
- SKAdNetwork の値の実装方法については、Apple のドキュメントをご覧ください。
- まずは、ビジネスにとって重要な一連のアプリ内イベントとその価値について考えます。ファネルに基づくアプローチでは、ユーザー ジャーニーのスタート地点から順に(上流ファネルから下流ファネルに向かって)優先したいアプリ内イベントをすべてリストアップします。
- コンバージョン値スキーマにアプリ キャンペーンの最適化で重視したいアプリ内イベントが含まれていること、およびこれらのイベントが Google 広告のコンバージョン設定で最適化対象のコンバージョン イベントとして指定されていることを確認してください。
- アプリ内購入の収益がビジネスの優先事項である場合は、コンバージョン値の一部を活用して、関連するアプリ内購入の収益のバケットを指定してください。
- コンバージョン値スキーマは、Google アナリティクス、サードパーティの App Attribution Partner、または直接 Google Ads API を使ってセットアップできますが、いずれか 1 つを選んでセットアップすることをおすすめします。
注
Google 広告のスキーマ設定に関するベスト プラクティスについては、以下の動画をご覧ください。
Google 広告で SKAdNetwork のレポートを分析する手順については、以下の動画をご覧ください。
iOS アプリ キャンペーンの測定と最適化のベスト プラクティスを実践する
アプリの測定の精度を上げるには:
- SKAdNetwork フレームワーク内でアプリをセットアップするのが妥当かどうかを評価します。
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- インストールを測定するには、アプリを SKAdNetwork と統合します。Google アナリティクス ソリューションを使用すると、アプリが SKAdNetwork アトリビューションに登録されるため、「初回起動」コンバージョンを測定できます。App Attribution Partner などの別の測定 SDK を使用するか、手動で SKAdNetwork インストール測定を設定することもできます。
- インストール後のイベントの測定については、コンバージョン値のスキーマをセットアップします。この設定は、Google アナリティクス、サードパーティの App Attribution Partner、または直接 Google Ads API を介して行うことができます。スキーマをセットアップする際は、アプリ キャンペーンの最適化で重視する入札対象のイベントを含めてください。
- 統合コンバージョン測定を有効にして、サードパーティの App Attribution Partner のインターフェースでリアルタイムのより包括的かつ正確なクロスチャネル アトリビューションを利用しましょう。このソリューションを有効にするには、イベントデータを使用するオンデバイス コンバージョン測定を実装し、サードパーティの App Attribution Partner SDK を最新バージョンに更新します。
- iOS のアプリ インストール キャンペーンで運用するキャンペーンを整理して、8 件以下に抑えます。キャンペーンが増えると SKAdNetwork の測定精度が低下するおそれがあります。キャンペーンを 8 件以下にすることにより、最適なパフォーマンスが確保され、SKAdNetwork の正確なキャンペーン レポートが可能になります。
キャンペーンの最適化とパフォーマンスを改善するには:
- Apple のドキュメントを確認し、アプリに ATT 同意プロンプトを実装できるかどうか判断します。また、準備画面か説明画面を作成して、ATT 同意プロンプトで同意を求める前に表示することもできます。説明画面を用意すると、広告目的で収集された情報がアプリでどのように使用されるのか、ユーザーはよりよく理解できます。ユーザーがプロンプトを承諾すると、測定コンバージョンが増加するため、より精度の高いコンバージョン モデリングとキャンペーンの最適化が可能になります。詳しくは、Firebase 向け Google アナリティクス SDK を使って説明画面を作成し、表示する方法をご確認ください。
- イベントデータを使用するオンデバイス コンバージョン測定を実装すると、測定可能なコンバージョンを増やして、iOS キャンペーンの最適化とレポートを改善できます。この方法では、ユーザーの個人情報がデバイスから流出したり、Google を含む外部に漏れたりすることはありません。アプリに多くのユーザーがログインしていて、メールアドレスや電話番号のデータを収集している場合は、ファーストパーティ データを使用するこのソリューションの 2 番目のパターンも加えて実装することをおすすめします。
- 「目標アクション単価」または「目標広告費用対効果」入札戦略を使用している場合は、パフォーマンスを最適化するために、ATT の同意を求めるプロンプトを表示したり、オンデバイスのコンバージョン測定を実装したりすることをおすすめします。ATT 同意プロンプトまたはオンデバイスのコンバージョン測定を実装する予定がない場合は、「目標インストール単価」入札戦略を使用することをおすすめします。
アプリ キャンペーンの一般的なベスト プラクティスを適用する
- 重視する項目を絞って最適なパフォーマンスが得られるよう、広告掲載の目標に合わせて iOS アプリ キャンペーンを設定します。
- コンバージョン目標(インストールの促進なのか、アプリ内アクティビティの促進なのかなど)に基づいて、適切な入札単価設定方法を選択します。詳しくは、アプリ キャンペーンの入札機能についてをご覧ください。
- クリエイティブ アセットのベスト プラクティスについての記事を参考にします。
- Google アナリティクスからイベントをインポートするか、第三者の分析ツールと Google 広告アカウントをリンクして、初回起動、アプリ内購入、カスタム イベントをトラッキングします。
- iOS 向けのユニバーサル リンクを使用すると、モバイル デバイスのユーザーをアプリ内の関連ページに直接誘導できます。詳しくは、ディープリンクについてをご覧ください。
- キャンペーンのパフォーマンスに基づいて入札単価と予算を調整します。詳しくは、目標に応じてパフォーマンスを評価するをご覧ください。